第2期生受講公募要領 みそぎについて 保積禮日公師 略歴

みそぎについて

古神道における「みそぎ」

 日本において、仏教、儒教、道教、基教などの伝来以前、神代の昔より万古不易に伝わる至上道である古神道の「みそぎ」とは、生命の道に従う智恵を学ぶもので、宇宙の真理を体得するものです。諸種の宗教は、開祖・宗祖を通して幾多の先人達の研究努力によって積み上げられて来た教えであるのに対し、「みそぎ」は、天孫降臨をはるかに遡る神代の昔より伝わる宇宙創成原理、即ち宇宙成壊の法則(創造と破壊の仕組み)ならびに修理固成の法(自然の理に反し、乱れ、調和を失った状態を整え正す方法)を教えるものです。

 「みそぎ」には、幽事(裏)としての祓(ハラヒ)と、顕事(表)としての禊(ミソギ)が有ります。

・祓(ハラヒ)…
解脱門。解脱とは、一切の個我を滅却すること。現代的に云えば、ストレス(歪み)を解除することであり、人間的には、 個我意識の中枢である脳脊髄神経の興奮を鎮めることと云えます。

・禊(ミソギ)…
産出門。産出とは、罪科、垢穢により埋もれている本来の神性を蘇らせること。現代的に云えば、リラックスすることであり、宇宙波動に協調して作動している自律神経(神律神経)の働きを蘇生させることと云えます。

 以上の如く、幽事(裏)としての祓と、顕事(表)としての禊を合わせて初めて完全なる祓禊(ミソギ)と云うことができるのであり、この祓禊には、神道(カミミチ)として大日本古事記(オホヤマトスメラギミフルコトフミ)。神伝(カミツタヘ)として五十五神伝。神事(カミワザ)として十神事。神言(カミコトバ)として能理斗、和歌、秘言、の四種の大別があり、順を追って修めて行くことになっています。

心身の浄化養生法「ミソギクスロ」

 又、その他「みそぎ」には、時代が下るに従って、肉体的な穢れがいよいよ増し、それを浄化する事の必要から、「ミソギクスロ」と云う養生法が伝えられるようになりました。我々は、とかく日常生活において、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚等の情や、寒・暑・燥・湿・風・熱等の外気のコントロールのまずさに加え、不摂生・過労等によって、本来持っている生命エネルギーの活動を自ら塞いでしまいがちです。その結果引き起こされるのが病気や災難でありますが、この塞がりを解かない限り、我々は、病気や苦悩から逃れ自由自在な存在にはなれないばかりか、自ら運を閉ざしてしまうことになります。

 みそぎ行法の基本第一門である「ミソギクスロ」とは、このように、知らず知らず蓄積させてしまっている邪気・汚濁の気を体内より払拭し、宇宙に充満する生々たる生命エネルギーを摂り入れて全身に巡らせる事により、人間本来の姿を蘇らせる心身の浄化養生法を云います。

 この「ミソギクスロ」には、次のようなものが有ります。

1 體法(カラノリ)
・伸長法…身体の狂いを正し、放毒を目的とする。
・却病法…身体の違和故障を治す事を目的とする。
・自彊法…強靭な身体と観念力を培い、強烈な気吹(イブキ)を会得する事を目的とする。

2 気吹(イブキ)
・産霊(ムスヒ)、産魂(ムスビ)、真澄(マスミ)の気吹の他に、玉の緒伝による九魂統一の気吹等。

3 善音発声(エボシ)
・アワウタ、和歌等。

4 淡食法(アハオスノリ)
・天食の法(生食)、人食の法(火食)等。

「みそぎ」を修める

 「みそぎ」には、実に崇遠とも云える大系と行法が伝えられているのではありますが、これまでその全貌については、一般人はおろか、真に神縁のある極く一部の人以外には全く内容を知ることすら出来ませんでした。(真言宗の開祖・空海ですら、饒速日尊の系を受けながら遂には神言を得られなかった程なのです。)それ故、昔は修業の順序も判らなかった為、「みそぎ」を修めたいと思っても、極く限られた特殊な人にしかその成就は許されませんでした。
 「みそぎの集い」講習会は、そのような深遠な伝えを近代に復興され、日本神道闡明の偉業を成された不世出の大偉人川面凡児翁。続いて川面凡児翁より禊流神伝の極秘を授かり、更には自らの研鑚により正伝を得られた希有の神人多田雄三翁。そして、これら先師の貴重な伝えを多田翁より直々に受け継がれた近藤信二郎翁とその第一高弟の石田瑞日公先師より教導されし保積禮日公師より「みそぎ」を中心に大和神随大道の御指導賜れる、またとない機会です。是非ともご参加ください。